エットレ・バスティアニーニ研究会 2017年度活動行事計画
Activities of The Association for 2017 Attivita dell’Associazione in 2017 |
2017・1~2017・12
1月26日 東京 特別例会
バスティアニーニ没後50年の思い出を語り合い、歌などで楽しむ会 |
解説 桂川 清子
|
会場 |
品川区立中小企業センター |
日時 | 14時~18時 |
主に1963年日本公演”イル・トロヴァトーレ”公演、1965年日本リサイタルの舞台本番前後にバスティアニーニと接する機会を持たれた会員の方の思い出をお話し頂いた。「舞台間近で見たため、バスティアニーニの細かい演技、例えば一幕でマンリーコの歌声が舞台裏から聞こえたとき、顔を客席に向けたまま眼球だけでその方を見据えたことを鮮明に思い出します。」とのお話しや、バスティアニーニはピアニストの三浦洋一氏と変わってピアノの椅子に座り、結構きれいなアルペッジョを弾いたのを覚えている等、貴重なお話しで、参加者は当時の姿が重なって深く偲ばれたようでした。
他の出席者からもバスティアニーニの歌唱方についての分析や、ピアニストの故三浦洋一氏がバスティアニーニと共演した思い出話を熱く語った40年以上前のFMラジオ放送の記憶等を語り合いました。素晴らしい美声と卓越した歌唱や往時の姿を偲ぶ会となりました。
1月29日 大阪 第42回 総会・勉強会
仮面舞踏会 王の恋、貴族の恋、設定場所、身分を変えることで上演許可されたオペラ |
解説 桂川 清子
|
会場 |
大阪市立生涯学習センター メディア研修室 |
日時 | 13時30分~17時 |
元はスェーデンを舞台として作曲していましたが、当時のイタリア国内の不穏な動きのため検閲が厳しく、やむなく本国イギリスから派遣のボストン総督に設定変更した作品になりました。従って展開で場面ごとに様々な矛盾が生じてきます。この例会では、背景当時のスェーデン王室の状況もよく解説されたので、スェーデン作品の背景とボストン変更の両方の背景や当時の事情が参加者に理解できたようでした。
1967年の日本公演時のカルロ・ベルゴンツィの格調ある様式に則った歌唱と美声や、懐かしいステッラの歌う声や姿も思い出されていました。バスティアニーニがこの公演のレナートに出演予定であったのに、亡くなったことで出演できなくなり、カラー放送されたことにも、返す返すも残念に思う悲嘆のような声が聞こえていました。資料も詳細で勉強になったという声も頂きました。
2月25日 東京 第37回 総会・勉強会
戦争と平和「人は何を支柱にして生きてゆけるのか」このテーマとプロコフィエフの音楽 |
解説 丸山 幸子
|
会場 | 品川区立中小企業センター |
日時 | 13時30分~18時 |
原作を貫いたロシアという国への観察眼と人間の「愛と精神性」を、オペラ作品も突き詰めています。アンドレイとピエールの“理想”と“生き方見つけ”を、プロコフィエフも見失いませんでした。しかもソヴィエト指導者からも認められる作品にするには、大変な労苦があり、また才能でした。トルストイの膨大緻密な群像劇を歴史オペラ絵巻に成し得ますが、オペラは作品の上演あっての芸術です。演出と演奏者と劇場スタッフの理想と熱意の結実がなければ感動は聴衆に届きません。
エピグラフ(「題辞」)合唱「ロシアの民衆 ヨーロッパ12ヵ国の兵力が」または序曲は一般に1部開始前に演奏される。だが2000年3月 パリ・オペラ座(バスチーユ)公演では、1部終了の場で「題辞」合唱される。大変珍しいケースだが、この方が軍人も貴族も民衆も一丸となって戦う決意と気迫が感じられる。歌唱部と伴奏部の音楽は現代音楽らしく複雑だが美しく調和している。
初演に関するメモ
初演・・・1945年6月7日モスクワ音楽院大ホールで「全11場」を原作朗読付きの演奏会形式。1946年6月12日レニングラード、マールィ劇場で改訂版2夜上演。(ボリス・ポクロフスキー演出)。1948年「ジダーノフ批判」で一部改訂。1952年全13場とエピグラフ最終版として完成させるが、1953年3月プロコフィエフ死去。1953年6月モスクワで最終版初演したようだが、一般に1955年4月1日レニングラード、マールィ劇場で最終版初演とされています。
★「戦争と平和」ヨーロッパ初演はイタリア
これらソヴィエトでの上演に先駆けて、フィレンツェで、1953年5月23日に、ヨーロッパ初演として一部カットはあるものの上演されています。残念ながらこの上演は、あまり関連本で記載されていません。大変貴重な音源で、戦後のイタリアでオペラ上演復活のエネルギーと、第二次大戦の深い反省と再建の熱気まで感じます。バスティアニーニ、コレッリ、カルテッリ、バルビエリ、ロジンスキー指揮。バスティアニーニのアンドレイは理想と現実の中で苦悩する青年貴族を体現する名歌唱です。
《戦争と平和》レクチャー後、特別ゲストとして、竹内知子さんがオペラ出演や日々の音楽活動されている経験から、「オペラ裏事情」のタイトルで話されました。歌手が起用される条件、衣装作りやさまざまな事柄の準備作業などを、段取りの良い構成と展開で流暢に話され好評でした。
バスティアニーニゆかりの地でご親族やマヌエーラさんとお会いし、多くの都市でオペラ鑑賞と史跡や美術館巡りもするオペラツアーを会では既に4回開催しました。しかし今回は企画案内を出して募集しませんでした。従来のコースを回りますため、数度ご参加下さった方々がいらっしゃいましたからです。しかし、この様な趣旨の旅行を望まれた2名の方と、少人数で出発しました。
3月8日
パドヴァの世界遺産スクロヴェニ礼拝堂でジョットのフレスコ画鑑賞は、朝一番目の予約が取れ、堂内は比較的少人数でラッキーでした。美しい色が鮮やかに残った見事な壁面と天井画に圧倒され、まさに眼福でした。夕刻前シエナに到着しバスティアニーニの墓参へ。献花とメッセージを添えました。
日程調整上、今回初めてパンテーラ地区の方々と交流しませんでした。
(墓前の写真の日付は現地では9日の日没前でしたが、時差の為、日本時間の10日になっています)
3月10日
ボローニャで《イタリアのトルコ人》を鑑賞。アルベルト・ゼッダの指揮が楽しみだったのですが、開演時、4日前に亡くなられたという知らせがありました。ご高齢でしたから、お聴きできるうちにと来たのですが、ここで訃報を聞くとは予想していませんでした。
ゼッダ氏はロッシーニ研究者として作品を掘り起こし、批判校訂版(クリティカル・エディション、ゼッダ編)で数々の埋もれた作品をROFで蘇演されて来られました。ロッシーニの真の偉大さを世界に知らしめた功績は、はかり知れません。
指揮は急遽クリストファー・フランクリンが務めました。実力派の彼の指揮とボローニャ管弦楽団の万全の演奏は、躍動感に溢れ、さすがの団員たちの技量です。
演出はダヴィデ・リヴェルモーレの読み替えなしの舞台に、太守セリムをシモーネ・アルベリギーニ、ジェローニオをニコラ・アライモ。フィオリッラをハスミック・トロシャン、ナルチーゾをマキシム・ミロノフと言う豪華メンバ―で、こなれた歌唱と演技でした。ザイダ役は日本でも注目され始めた脇園彩が歌っていましたが、声量が乏しかったようでした。
3月11日
バスティアニーニのお孫さんのエットレ・バスティアニーニさんが、駅に車で迎えに来て下さり、バールでお茶を頂き、久しぶりにお会いした喜びやご家族の話をして下さいました。
その後、お子様たち、お母さまや奥様、妹さんと合流し、昼食をゆっくり頂きながら、近況やさまざまなお話しを楽しみました。歌や運動に熱中されているお子様たちの成長を見守りたい気持ちになりました。奥様も妹様も変わらず明るく親切に接して下さり、リラックスできます。いつも彼のお母さまは、もっとゆっくり来てほしい、と言って下さり、気さくで愛情を感じられ幸福感に満たされます。
初めてこのお孫さんご一家とお会いしたのは2001年の秋で、翌年日本にバスティアニーニさんとまだ彼の婚約者だった今の奥様が「バスティアニーニ没後35周年偲ぶ会」に来て下さいました。
昼食後はお母さまとバスティアニーニさんと散策しながら、歴史好きな私たちと同じように、お母さまも中世の歴史などを詳しく語って下さいました。貴重な経験でした。
本年はバスティアニーニ没後50年の大きな記念の年となります。しかし日本では以前の没後周年のような大きな行事が、バスティアニーニの熱いファンの高齢化などで開催できなくて、バスティアニーニと当時の大歌手たちという催しで開催する旨を説明し、快く受け入れて下さいました。バスティアニーニさんが駅のホームで見送って下さって、至福の日でした。
3月12日
ここからはオペラ中心です。ボローニャからミュンヘンに入り、バイエルン歌劇場へ。人気演目と人気歌手の《アンドレア・シェニエ》はチケット入手が困難でしたが、何とかゲットできました。
舞台を幾つもの部屋(場面)に仕切って、主要人物たちの動きを同時に見せる手法は、他の公演でも目にしますが、アップで撮られた映像を見るのと違い、座席からは見にくいです。
激動の時代を意識した細かい表現や、断頭台のシェニエの体がうつ伏せになった途端、シェニエの首が落ち、掲げられるという生々しいリアルな演出に驚きました。
演出は映画『ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』他の映画監督でもあるフィリップ・シュテルツェル。カウフマン出演の2015年ザルツブルク祝祭大劇場《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》も、シュテルツェルは幾つかの部屋(場面)を仕切った舞台でした。今回と比べると、個人的には《カヴァレリア・ルスティカーナ》の熱愛のただなかにいる人物の行動を、時間軸で見せる演出の方が冴えていた様に思います。
指揮はイスラエル人のオマー(オメール)・メイアー・ヴェルバーで、まだ30代半ばという。ヨナス・カウフマンとアニア・ハルテロスの張りのある美声と表現力ある歌と、劇的なドラマを映画俳優の様に演技する二人を見つめていると、惜しいほど時間が早く過ぎてしまいました。ルカ・サルシのジェラールは声量豊かで歌の巧さもあって聴かせます。もう少し細ければ、イメージが立つのにという思いが付きまといましたが。
時代衣装とリアルな舞台と豪華キャストで、オペラ鑑賞の醍醐味を満喫できました。
3月13日
前日と同劇場で《ファルスタッフ》は、アンブロージョ・マエストリの十八番、バリトンの豊麗な美声と柔らかく、且つ大きな声を堪能できました。
ほぼ舞台いっぱいに、高低差がある大きな楕円形の台を置いたシンプルな装置だけで、見る方は張り合いに欠ける印象です。唯一、演出で面白いと感じられたのは、2幕で洗濯籠に入ったファルスタッフが、窓から川に投げ入れられた箇所とその後です。水しぶきが上がります。予想していなかっただけに、心の中で、「あっ」と声が出るようでした。水の中で溺れるようにあがく姿が、スクリーンで写し出され、その像に紗幕がかかっていたような、事実通り表現できませんが新鮮でした。他の歌手陣も豪華で、フォードはフランコ・ヴァッサッロ、クイックリー夫人にダニエラ・バルチェッローナという円熟の実力派で、二人共こなれた演技と歌唱です。フェントンはパーヴォル・ブレスリック、アリーチェはヴェロニケ・ゲンス、ナンネッタにエカテリーナ・シウリナ、メグにダニエラ・ピーニが揃い、声の競演に酔えました。指揮はアッシャー・フィッシュ、演出はアイケ・グラムス。
3月14日
ミュンヘンからウィーンへ快適な列車で移動。《アラベラ》は人気と実力で申し分ないカミラ・ニールンド(ニュールンド)がお目当てです。練れた卓越の歌声に飲み込まれるようでした。
指揮は大御所のペーター・シュナイダー、ズヴェン=エリック・ベクトルフの演出は、まさに舞台背景当時のやや退廃的な近代ウィーンを感じさせてくれます。ホール内が、薄着の私には寒く感じられました。
3月15日
ステファン・グールドとペトラ・ラングの《トリスタンとイゾルデ》。両者は共に幾度も歌いこなした演目で、期待の鑑賞です。
ヴァーグナーの中で、2番目に好きな作品で楽しみでしたが、ラングの声の調子が悪かったのか、声に抵抗感あり、イゾルデの歌唱部分にのめり込めず集中して聴けなかったのが残念でした。
グールドは安定したトリスタンです。他の歌手陣も素晴らしく、マルケ王はクワンチェル・ユン、クルヴェナールがマティアス・ゲルネ、ブランゲーネはソフィー・コッホと言う夢のようなキャスト。メロートもクレメンス・ウンターライナーで、指揮はミッコ・フランク、演出はディヴィッド・マクヴィガー。
前日のホールが寒かったので、厚着で備えましたが、この日は暖房が強めで暑かったです。
3月16日
“オルフェオとエウリディーチェ”題材作品を集めたコンツエルトハウスでのフィリップ・ジャルスキーのコンサート。
サルトーリオ、モンテヴェルディ、ロッシの《オルフェオ》とグルックの《オルフェオとエウリディーチェ》から、古楽器でジャルスキーだけが歌う伴奏と、序曲やシンフォニア演奏する豊富なプログラムです。
カウンターテナーの第一人者、貴公子と評され、美声だけでも他の追随を許しませんが、歌唱、表現力も群を抜いています。他のカウンターテナーの歌手たちもそれぞれ立派ですが、ジャルスキーは自然な発声で滑らかに歌い上げます。これぞ至高の芸術です。
最前列中央席で、古楽器の奏者たちが舞台上で演奏するため、ジャルスキーとの間隔が近く、表情は無論、眉や目の細部まで鮮明に見ることができ、感激の極みでした。
3月17日
アンデァウィーン劇場で《イギリス女王エリザベッタ》を。ベートーヴェンや多くの名作曲家の曲がここで演奏されていたかと思うと、この場にいる喜びと小さな興奮に包まれます。
指揮・・・ジャン・クリストフ・スポノジ、演出・・・アメリ・ニーマイヤー(ニールマイヤーとも。女性演出家)、エリザベッタ・・・アレクサンドラ・デショーティ、レスター・・・ノーマン・ラインハルト、ノーフォーク・・・バリー・バンクス、マチルデ・・・イルセ・イーレンス、エンリーコ・・・ナタリア・カワジュク、グリエルモ(親衛隊長)・・・エリック・オルマン。この作品だけ指揮者のスポノジ以外、恥ずかしながら私には馴染みのない歌手と演出家でした。
舞台上に殆ど装置がなく、部屋、場所を示す壁状のものがあるだけで、時代衣装と現代衣装が混ざったもの。余りのシンプルな舞台と、ロッシーニ音楽との不適合さを感じ、音楽にのめり込めなかったです。しかし、よく知っていない歌手たちでしたが、役の人物の境遇や立場、精神面まで表現しようと迫真の演技を伴って、この音楽を良く歌い切っていました。
全ての7公演を4名で楽しめ、《イギリス女王エリザベッタ》以外の5オペラ公演と1コンサートを人気、実力の歌手たちの舞台で鑑賞できました。
ウィーン滞在が4日間あり、市内散策時、何度もこの地に来ていても、通りでスペイン乗馬学校の朝の調教見学が行われる白馬と出くわしたのは初めてで、幸運でした。美術館巡りや一人での行動ができ、天候に恵まれ、バスティアニーニ関連とオペラ三昧のヨーロッパ旅行でした。
(ウィーン美術史美術館蔵 ブリューゲル「バベルの塔」)
5月21日 東京 第38回 勉強会
モーツァルト様々1960年代から2016年の約50年の歩み |
解説 桂川 清子
|
会場 | 品川区立中小企業センター |
日時 | 14時~18時 |
1960年代からモーツアルトのオペラは特により多く上演されて来ました。モーツアルトは人間観察が鋭く、音楽による人物の描き分けがよく出来ています。舞台演出は、この50年で大きく変化し、戸惑う演出が多いです。鑑賞の仕方は人それぞれですが、モーツアルト作品に限らず、オリジナルを頭に入れ、下準備でよく知って見に行かないと難しくなってきました。
ドイツ語とイタリア語で作曲した作品がある中、《フィガロの結婚》ドイツ語版とイタリア語版を比較鑑賞すると、やはりこの作品はイタリア語でなければと実感します。名歌手の好演と演出から作品が生かされることなど、オペラ公演のありようを皆で考えました。
5月28日 大阪 第43回 勉強会
オテッロヴェルディがようやく新しい時代のオペラ様式で書き生涯を代表する名作に |
解説 丸山 幸子
|
会場 |
大阪駅前第2ビル大阪市立総合生涯学習センター |
日時 | 14時~17時 |
シェイクスピアの作家として、ボーイトの台本才能、これらも検証し、作品を多面的に考察しました。
オテッロの激怒の行動が嫉妬からだとする読み取りで良いのか、それでは腑に落ちない、という多くのオペラ愛好家の声から解明していきました。ロンドン、グローブ座演劇とオペラ場面を交差させて、オテッロの内面を探り出すことができました。
一 方、音楽的に《オテッロ》が画期的なのは、無限旋律で作られている点です。それまでの番号オペラからこのように変革しました。1881年に既に《シモン・ボッカネグラ》改訂版をボーイトの協力で取りかかった際、無限旋律を思考していました。そこから6年の後1887年という時代は現代音楽に近づいていました。ヴェルディは敏感に変革の風を感じながら、自分で考え工夫し、見つけ、辿りつきました。
6月18日 大阪 第12回 音楽会 エル おおさか プチ・エル(地下1階)
☆♪★♫主に会員の方々の歌とピアノの演奏を楽しみます。
プログラム
1、 関 朋子 マスカーニ「バッラータ」
2、 刈米 興子 ベッリーニ「激しい欲求」
3、 横川 隆一 トスティ「君なんか、もう」/「理想の人」
4、 丸山 幸子 チレア《アドリアーナ・ルクヴルール》~「私は芸術の下僕」
5、 志熊 道夫 モーツァルト《フィガロの結婚》~「もう飛ぶまいぞこの蝶々」
6、 大谷 陽子 ロッシーニ《イタリアのトルコ人》~「一人の男だけを愛するなんて気が狂う」
7、 武井 正之 ベッリーニ《清教徒》~「ほどいた美しい髪に花飾りをして」
♪♩ピアノ演奏
8、 藤田 牧子 メンデルスゾーン 幻想曲「夏の名残の薔薇」/無言歌集「春の歌」
9、 水沼 寿和 シューベルト=リスト「水の上にて歌う」/リスト「ハンガリー狂詩曲 第10番」
♫♩歌♩♫
10、丸山 幸子 マスカーニ《カヴァレリア・ルスティカーナ》~「ママも知る通り」
11、志熊 道夫 モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》~「カタログの歌」
12、刈米 興子 ロッシーニ《セミラーミデ》~「麗しい光」
13、 関 朋子 ドニゼッティ《連隊の娘》~「富も栄華の家柄も」「フランス万歳 幸せの日々よ」
14、 武井 正之 ヴェルディ《ナブッコ》~「神よ、あなたは予言者の唇に」
15、 大谷 陽子 ドニゼッティ《ロベルト・デヴリュー》~「冷たい男よ 彼女のそばで暮らすがよい」…「流された血は」
|
|
出演の皆様は長い期間、熱心に練習されて臨んでくださいました。声楽指導の方やプロのピアニストの方、お仕事の傍ら個人でレッスンを受けて地道に勉強されてられる方などが共に会して発表します。お客様からは、若い出演者も楽しいが、60代70代の演奏者から、音楽への愛と熱心さが伝わり感動しましたという声を頂きました。また、今は演奏していないが、60代以上の方々が音楽に取り組み努力する姿を見て、演奏に再挑戦して見たい気持ちになり励まされた、という方もいらっしゃいました。
8月5日 東京 第10回 夏のお楽しみ特集
バッハ「マタイ受難曲」 バレエ 教会音楽受容のメッセージ 解説 桂川 清子
|
会場 | 品川区立中小企業センター |
日時 | 14時~18時 |
本年は1517年宗教改革の始まりとされる「ルター=プロテスタント500年」に当たり、プロテスタントがドイツで受け入れられた状況の話がありました。聖書中心主義、カトリックよりも一人の人間として神に対することができるという信仰の姿勢に、共感を呼んだと言うお話しは、参加者に刺激を与えられたようです。ペーター・シュライアー、ベルント・ヴァイクルの熱い熱唱と、2005年にバーデンバーデンでジョン・ノイマイヤー演出兼主演のバレエ版で、バッハの描く信仰の世界と現代バレエで表現する信仰と精神の深い掘り下げる芸術について考えました。
11月11日 大阪 第44回
名歌手たちの芸術を偲ぶバスティアニーニ没後50年を偲び、1950年代からの今は亡き名歌手たちの至高の歌唱を振り返りますソプラノとバリトンのミニ演奏もお楽しみください |
解説 丸山幸子
|
会場 | ドーンセンター視聴覚スタジオ(5階) (大阪府立男女共同参画青少年センター 天満橋) |
日時 | 11月11日(土)13時30分~17時 |
今年はバスティアニーニ50年カラス40年デル・モナコ35年の没後周年の年です。研究会はバスティアニーニの没後25周年、35周年、40周年の偲ぶ会を開催してきました。今回は、三大歌手の他に、忘れられない名歌手も偲びました。オペラ愛好家の皆様はそれぞれオペラに接した時期は違いますが、名歌手の優れた歌唱力や美声に賞嘆し、癒され、その芸術は至福の思いから生涯の支えにまでなりました。
前半を3大名歌手と、角南治之さんの≪ドン・カルロ≫~ロドリーゴの「私の最期の日」を大井千世さんのピアノ伴奏で歌って頂きました。後半は、60年代から90年代に亡くなった名歌手を偲び、最後に、角南さん大谷陽子さんの2重唱で≪リゴレット≫~「休みの日はいつも教会で」を大井さんのピアノ伴奏で歌って頂きました。優れた演奏に大きな拍手が続きました。
バスティアニーニ、カラス、デル・モナコの唯一無二の芸術性、ヴンダーリッヒ、プライ、ホッター、クラウス等の名歌手の秀でた美声と歌唱力にも堪能頂け、終了後のレストラン貸し切り食事会も名歌手の話が続きました。参加者で他用の方々は終了後退出の為、写真撮影に不参加でしたが、大勢のオペラ愛好の方の出席を頂きました。
12月3日 東京 第39回 勉強会
マリン・ファリエロ |
ヴェネツィアの歴史を紐解くと。総督の権限は?解説 桂川 清子 |
会場 | 品川区立中小企業センター |
日時 | 14時~18時 |
中世ヴェネツィアの10人、あるいは40人の合議制による政治形態は合理的なようで、実は勢力争いの温床だったことは、オペラ『二人のフォスカリ』に見られるとおりですが、この作品でもそれが背景になっています。ドニゼッティの音楽はやはり官能に訴えかける美しさに満ちていて、暗い物語の中で、この美しさが唯一の救いのように感じられます。